
(写真提供:神戸市)
1995年1月17日に発生した最大震度7の直下型地震「阪神・淡路大震災」から30年が経ちました。兵庫県では、この震災を振り返り、未来につなげるために学生との共同事業の推進や特別企画展、シンポジウムなどが予定されています。
阪神・淡路大震災の経験は、教訓としてその後の災害や日々の暮らしにも大きな変化をもたらしました。
1995年は「ボランティア元年」
震災発生当時、甚大な被害の状況がメディアを通じて報道され、多くのボランティアが全国から駆け付けました。この出来事を契機に、災害時におけるボランティア活動の重要性が認識されるようになり、ボランティア活動が身近な存在となりました。
また、震災時に浮かび上がった課題が、後の災害ボランティア受け入れ体制の整備や、コーディネートの基盤となっています。この動きから、1995年は「ボランティア元年」と呼ばれるようになりました。2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災地では、現在もボランティアの存在が必要とされ、生活の復旧において欠かせない役割を果たしています。
震度区分の細分化
震災現場での被害調査から、同じ震度5や6でも被害の程度に差があることが分かりました。これを受けて、震度の分類が改訂され、「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」の4段階が新設されました。さらに、震度観測が体感ではなく、震度計による観測に完全移行しました。震度の違いによるゆれの大きさや家屋への影響を知っておくことが、自分や家族の身を守ることにつながります。
(震度とゆれの状況:気象庁ホームページより)
防災教材「クロスロード」の開発
震災の経験を基に、自治体職員や被災者、ボランティアらが直面した状況を教材化した防災シミュレーションカードゲーム「クロスロード」が開発されました。このゲームは、災害時の行動や課題に「正解がない」ことを体験し、防災について深く考えるきっかけを生み出しています。
また、NHKでは「防災クロスロード~その時どうする?~」という動画教材を公開しており、災害後のさまざまな状況を想定したシミュレーション体験ができます。
このように、震災の教訓は現在もさまざまな分野で生かされています。阪神・淡路大震災に限らず、被災地について考えることが、私たちの未来を守る手助けになるかもしれません。災害を経験した人々から学び、今後起こりうる大災害に備えて防災意識を高めていけると良いですね。