8月24日(土)、一般向け学習講座「14年目の報告~東日本大震災の『現在地』を考える~」を開催しました。
全国各地で次々と新たな災害が起こり、過去の災害の被災地について報道される機会は減っていきます。東日本大震災で被害があった東北各地の現状や住民の声を聞くため、昨年に引き続き福島県相馬市出身のローカルジャーナリスト寺島英弥氏にご登壇いただきました。
講座では、風評被害に続き温暖化の影響を受ける漁業の危機や、故郷に戻れないまま年月が経っていく住民たちの苦悩、避難解除がされても人が戻らない町の様子など、まだ「復興」が見えていない被災地の現実について、現地の写真と共に伝えられました。
福島第一原発事故の影響は今も大きく、日常の不安や未来が見えないことから「震災直後ではなく、その後生きていくことのほうがつらい」と話す方もいるそうです。故郷を失った福島県民のPTSD(心的外傷後ストレス障害)発症率が高いことなど、心の回復の難しさについても話されていました。
参加者からは、「メディアでは報道されない東北の今を知ることができてよかった」という感想を複数いただいた一方、「こんなにも復興が進んでいない現状を知り、東北のために自分ができることがわからない」と、心の葛藤や焦燥感を含んだような声もあがっていました。東北のこれからと本当の復興について、深く考えさせられる講座となりました。
来月は、能登半島地震の被災地、穴水町を拠点に発災直後から支援を続ける講師に「災害関連死」をテーマにお話いただきます。ぜひお申込みください。